これからのシェフに求められるものはおいしい料理を作る技術ではない

ということで、昨日の続き…


調理器具はどんどん向上しています。
調理機器メーカーのコンセプトは、「誰が(バイトでも)調理しても、一流シェフの味が出せる」
というところでしょう。


そりゃそうです。飲食業経営者としては、シェフは最も人件費が高いランニングコストです。
初期投資は必要になりますが、設備投資でそのランニングコストを大幅に抑える事ができる。

それが調理器具の販売のセールストークの一つでしょう。




例えば「真空調理」。
それは、鴨肉などの食材をレトルトカレーのように真空パックし、
それをそのまま低温のスチームオーブンで低温調理する。


低温で均一の加熱のお陰で、肉は、柔らかく、中がロゼピンク、外側は最初に
焼色つけているので、きれいな鴨のローストができるのです。


この火加減は、切るまで中が分からないので、オーブンの火加減は職人の経験・勘によるところが大きかったですが、誰でも、ボタン一つでタイマーと温度を入力するだけなのです。



しかも、真空調理は、一度に大量に調理が可能で、真空パックするだけなら、そのままある程度の長期保存が可能なのです。


そして、このような技術革新は、最初あのミシュランの3つ星シェフ、ジヨェル ロブション氏などが積極的に導入し、世間に広めていった経緯があることからも、フレンチの正当な調理法であるので、このような調理法の流れは、今後も推進されることでしょう。
(彼が監修するレストランやTGVのメニュー等の監修で積極的に導入しています)


ミシュランのシェフは、店の総帥として、経営に携わらなければならないのです。


そこで、味やコスト管理など総合的に判断して、レストランも合理化(リストラクチャリング)しているのです。




ということで、それほど真空調理は外食産業において革命的な調理法として、その飲食業界の行く末まで
占うことができるきがするのです。

(業界では家庭用の電子レンジくらい…のインパクトがあるものです)



長くなりましたが、今日の言葉は


「武器が変われば戦略が変わる」



これは、かつて私が飲食店でバイトしていて、あるパーティーの給仕をしたときのこと、
壇上である非常に覇気のありそうな活発な社長が、言っていたセリフです。


私には印象的で、当時妙に納得してしまいましたが、何年経っても、たまにふと思い出す味わい深い言葉
となりました。


今インターネットの出現において、ビジネスの領域においては、この言葉と同様の事が、当然、起こっています。


私はその最前線にいるという自負があります。
私は「長篠の合戦」における信長になるつもりでいます。