真の老舗とは…

突然ですが、私はおいしいものがすきです。

今日の言葉は日本の食育の重鎮、服部幸應先生の著書で、
「老舗」について書かれた部分を引用します。

私はこれを読んで、料理について、とても豊かな感性を得たと同時に、料理や、美食の本質を垣間見た気がします。



「老舗とは革新なり…
人々の嗜好はどんどん変わっていく。時代に合わせて、最もうまい味を提供してこそ老舗の意味があると思っている。
頑固と言えば聞こえはいいが、何にこだわるか本質的なところを見据えず、ただ『昔の味』にしがみついているだけの店は、老舗とはいえない」


我々は、老舗と言えば、昔からの味を守った名店とのイメージを刷り込まれているが、中には、その心理を逆用して、中身のないものを老舗の看板だけで売りつけたり、時代、嗜好に合わせた工夫をサボって、先代の偉業を相続しただけという、老舗も少なくないだろう。

もちろん、昔の味が求められるのであれば、それを提供するのは商売の王道であるし、昔の味を守ることは大変意味のあるものである。
極端に言えば、昔の味だからといって、例えば石器時代の肉料理を提供しても、現代人の洗練された味覚にはうまい料理とはならない。

つまり、料理である以上「うまい」を提供するのは必須であり、今のニーズに合わせる姿勢すらない老舗の存在それはお客の事を全く考えてない店で非礼であると言える。

そのような輩に、一撃を食らわせた服部先生のお言葉である。



看板で集客できるからといって、肝心な中身であるサービスでサボるな、と言うことである。

私にとって、食の世界は、身近に芸術を感じたり、商売を感じたり、物事の本質を感じたり、世の中の仕組みを感じたり、ものづくりのロジックを感じたり、サービスの本質を感じたり…

つまり、「食」と言うツールは、様々な事象を感じるいわば触媒のような存在なのですね。

私にとってですけども…